産後のはなし① 無呼吸発作からの徐脈

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〜入院6日目(産後1日目)〜

夜は、寝れたのか慣れてないのかわからないまま痛みに耐え、自分でたぶん2〜3時間おきくらいにこまめに体位交換して、なんとか乗り切りました。

 

ここで愚痴というか、勘弁してくれよと思ったのは、オペ着のまんまだったんですけど、オペ着って着脱しやすいように体の横の部分が外れるようになっているんですね。そこがマジックテープだったんですけど、そのおかけで夜中体位交換しまくったおかげで、マジックテープは外れまくるし、オペ着もこれどうなってるの?ってくらいわけわかんないことになってて、ほぼ裸状態で寝てました。

暑がりなので、タオルケットかけてたんですけど、そんな半裸状態だったので、夜中は逆に寒くて震えてました。

お産があったみたいで、ほんと点滴更新時以外は、部屋周りにこないなと思って、かけ布団かけてほしすぎてやばかったです。1人で凍えてました。そしてフットポンプが外れてナースコールしても忙しすぎて何回か無視されるという悲しさ...

 

なんやかんやで無事朝を迎えて、朝ごはんはなしですが、飲水開始。

なぜか飲水するときに助産師さんに席外されたんですけど、普通は飲水チェックするのでは?と思いつつ、まあもういいやと投げやりで、臥床したまま、すこしギャッチアップして麦茶をペットボトルから飲みました。

そして一口目で盛大にムセる。

ムセて咳すると創部に激痛が走って、ほんと色んなところからの総攻撃で涙目になった。

水分補給には麦茶かなと思って、飲水開始一発目は、麦茶にしたんですけど、長らく飲まず食わずの口に麦茶は苦すぎました。

途中からグリーンダカラにしてもらって、甘くてすんごく美味しかったです。

 

ようやくタオルで身体を拭いてもらって、尿道バルーンも抜去してもらって、オペ着からいつもの寝衣に着替えさせてもらいました。あれだけ苦労して入れられた点滴も抜針されました。

ギャッチアップもできるようになって感動。

創部は、ほんと確かに痛いんですけど、寝てるとほんとに背中が痛くてたまりませんでした。ずっと臥床状態がこんなにキツいものだとは思いもしなかったです。

子宮底の位置も指をぐさっと下腹部に押さえつけられて診てもらったんですけど、いい感じに子宮復古してましたね。ていうか昨日からの子宮の大きさを考えると、ほんと人間の体ってすごい。

 

そして、ときどき赤ちゃんを連れてきてもらって授乳開始。コットに入ってる小さい赤ちゃん可愛すぎました。

でもわたしの可動域がせますぎて、なんとかギャッチアップして上体起こして、なんちゃって授乳をするのがやっとでした。

でも近くで見る自分の赤ちゃんが可愛すぎて、もうほんとずっと見てられる。目の中に入れても痛くないとは、このことだわと思いました。

 

まだ母乳は、初乳の段階で、両乳で合わせて1cc出ればいい方みたいな、これ母乳出てますかー?っていうレベルの量で、大丈夫なのかと思いつつ、助産師のレクチャーを受けながら、なんとなく授乳させてました。

もはやIgA獲得できればなんでもいいので、とりあえず少しでもいいから母乳を吸わせるのと、吸う動作の訓練みたいな感じと、あと子宮復古を促すために今は授乳の練習みたいなものかなと思いながらやってました。

 

そしていよいよお昼前に初回歩行。

トイレ行きたくなったらナースコールしてとのことだったので、ナースコール押してトイレまで歩きました。

この時起き上がりをゆっくりやるんではなくて、ゆっくりやったら痛い時間が長いからと思って勢いよく起き上がったら、助産師さんにびっくりされました。

ゆっくり起き上がっていいんですよ…と若干引き気味に言われたんですけど、ゆっくりって地味にダメージ時間が長いのが辛いんですよね。

そして、トイレにて排尿あったんですけど、なんか膀胱がツーンって痛い...しかもめちゃくちゃ出しにくい...しかも創部が痛い。なんだこの三重苦は...

座ると腹圧かかって、さらに中の子宮も痛い。トイレに行くだけなのになんだこの四重苦。

でもトイレに行けた達成感と、オムツ並みに厳重に巻かれた産褥ナプキンを取れた開放感がすごかったです。

 

やっと普通の人になれた感。トイレから戻ると、助産師さんにあんまり無理な動かないようにと心配されるんですけど、もはや無理に動かないと動かなくなる気がして、痛くて動けない状態を選ぶより、痛くても動きたい気持ちの方が強かったです。

 

お昼ご飯も絶食からいきなりの常食で開始。カツ丼で、若干空っぽの胃には重かったんですけど、完食しました。

ご飯を食べ終わったあとは、ギャッチアップして座ったまま寝てました。なんでかというと、冒頭には書いてなかったんですけど、昨日オペ後からずーーーーっと臥床してたせいで、顔はパンパンに浮腫んでるし、朝一の血圧は最高記録の150台を叩き出すしで、まああれだけ寝転んでたらね、そうなるよねって感じで、血圧を下げるためにも顔の浮腫を取るためにも上体起こしてやろうと思って、そのまま休んでました。

 

14時ごろになって、助産師さんが来て起こされる。そろそろ赤ちゃん授乳タイムかなあと最初思ったんですけど、先生から話があるのでナースステーションに来るように言われて、この時点で嫌な予感というか、いい話をされないことはわかりました。

大部屋で話せないことだから呼ばれたんだなと思い、術後初日のボロボロの身体で起き上がり、歩いてナースステーションまで行きました。

 

ナースステーションに行くと並べられたコットの中にわたしの赤ちゃんはいなくて、代わりに保育器の中に入っていて、モニターがつけられてました。

先生からの話では、昨日産まれてすぐはクベースの中に入っていたけど、特に問題もなかったので、他の赤ちゃんと同じようにコットで夜も過ごしてたそうです。

そして病院では、一応生まれて24時間はモニターをつけて状態観察をするそうなんですけど、今朝から無呼吸発作が出てきたとのことでした。

普通、37週待たずして生まれてきた未熟児などによく見られる無呼吸発作ですが、今回は予定日を少しすぎた日に生まれた子で、原因がわからないため、近くのNICUへ搬送して経過を見たほうがいいと言われました。

 

モニターをつけた赤ちゃんは、HR:90台で、SpO2:80台後半〜100%をうろうろしているような状態で、確かに見てると時々無呼吸があって、呼吸状態が安定していない印象を受けました。

おそらく徐脈の原因は、無呼吸発作によって酸素低下が起こったことによるものですが、それでも通常の新生児の脈拍は、120〜160台なので明らかに低い数値に恐怖を感じました。

保育器に入った赤ちゃんは、小さい身体を膨らませて時々息を吸い、寝息を立てるとしばらくして無呼吸が始まり、SpO2が低下していくの繰り返しで、助産師さんがモニターアラームが鳴ると足裏を刺激して起こして、再びSpO2が上昇するの繰り返しでした。

 

仕事中の旦那に連絡して、状態を報告して、すぐNICUのある病院に行くようお願いしたのですが、その時に保育器に入っている自分の赤ちゃんを見ると、不安で涙が出てきました。

そもそも羊水過少があった時点で、苦しかったのかもしれない。出産した日の心拍低下は、その苦しいサインで、その影響が今のこの不安定な呼吸状態に繋がっているのかもしれないと思うと、赤ちゃんに対して申し訳ない気持ち、これからどうなるのかという不安な気持ち、もしも最悪の場合のことを考えてしまうと、涙が止まらなくなってしまいました。

 

説明後、先生がすぐに移送先の病院へ連絡して、10分後くらいに救急車が到着し、保育器に入れられたまま、赤ちゃんはNICUへ転院になってしまいました。

この時も涙が止まらなくて、状態がわからない分、ネガティブなことしか考えられなくなってました。

出産は、何が起こるか本当にわからない。今回は総合病院なら安心だし、近くにNICUのある病院があったので、何かあればすぐ移送できるだろうと思ってはいたのですが、こうやって離れ離れになると、もともとNICUのある病院で出産していればと、ものすごく後悔しました。

先生から説明を受けて、NICUのある設備の整った病院じゃないと、新生児の検査や採血することすら出来ないそうで、ましてや治療することも出来ないことを今回初めて知りました。

 

NICUに移送されてからは、旦那がすべて手続きをしてくれました。

NICUの先生の話では、採血上は問題なく、感染症も検査したけど、罹患していないとのこと。レントゲン上も問題なし。心エコーもしたけど、特に先天性心疾患などもなかったそうです。そして、これも初めて知ったんですけど、脳のエコーって大泉門から見るらしいんですけど、脳も出血などはなく、現状身体には問題ないとのことでした。

一応念のため、保育器に入れて酸素カニューレを当ててる状態で様子を見ることになりました。

 

移送されてからは、赤ちゃんの様子が当然ながら見れないので、気が気じゃなかったのですが、旦那が逐一報告してくれたので、安心しました。

でも、内心は、基礎疾患がないのにどうして無呼吸発作が出現してしまったのか、NICUで無呼吸発作が出て最悪の事態になってしまったらどうしようと、そればっかり考えてました。

一度泣くと、そこからまた涙が出てきてしまって、泣き止むのに時間がかかりました。しかも泣くと鼻水が出るので、その鼻水をかむ時に腹圧がかかって創部に激痛が走りました。

後陣痛も痛かったけど、動くと帝王切開の創部が明らかに痛くて堪りませんでした。それでも歩いて赤ちゃんをエレベーターホールまで見送ったのは、本当に根性だけで動いていたのだと思います。

 

夕方になって、落ち着くと助産師さんが来て、手絞りで搾乳してもらいました。一応初乳は出ていたので、それをシリンジで吸ってもらいました。

両方の乳で1ccシリンジの半分までいかないぐらいしかなかったんですけど、助産師さん的には出てるだけで十分って感じで、わたし的には、こんなに少ないもんなの!?っていう驚きの方が大きかったです。

 

そして夜、まさかの熱発。といっても、37.8℃とかで、氷枕をもらいに行った時に熱があることを言うと、まさかのコロナ疑いにされかけるという。まあこの時期ならではの疑いなんですけど、それより創部感染とか産褥熱を疑って欲しかったし、まあ時期が悪かったんだ

しかも個室にされそうになったので、断固拒否。創部痛もあったので、頓用のロキソニン内服して、夜間もなんだかんだで3時間おきに助産師さんが来て、手絞りで搾乳されてました。

そして翌朝解熱してました。術後初日から色々あって疲れたのかもなっていう結果に行き着きました。